第21回実践勉強会
- 開催内容
- テーマ内容
- 抗血小板療法
?血小板が集まるのを抑える治療で、主に白色血栓の割合が多い「ラクナ梗塞」やアテローム血栓性脳梗塞に
行われる。「抗血小板薬」にはいくつかの種類がある。「アスピリン」は標準的な薬として広く使われている。アスピリンの効果が不十分な場合は、日本では長い間「チクロピジン」を使用していたが、まれに重い副作用が起こるため最近では副作用の少ない「クロピドグレル」が広まっている。また、日本で開発された「シロスタゾール」は出血性の合併症が比較的起こりにくいとされている。
?脳梗塞抑制のためには、その原因となる血栓形成を抑制する必要がある。しかし、有効性を改善する為に
治療を強化すると出血性副作用が増大することが大きな障害となっている。血管内皮機能を高める働きがあるといわれているシロスタゾールは、脳出血の発症を比較的増やさないという他の抗血小板薬には見られない特徴があり、併用しやすい薬剤である。ラクナ梗塞で特に治療効果が高く、その再発抑制は40%といわれている。
- 後発品の適応について
後発薬品の中には先発品の適応症の一部を欠くものがあり、後発品への処方変更の際には注意が必要である。
その例として、プレタール(シロスタゾール)にはASOと脳梗塞発生後の再発抑制があるが、後発品には
ASOの適応のみ。⇒後発品に認められていない適応がある主な医薬品 大塚製薬 PUA4408A02 提供
- 抗血栓療法の注意点
抗血栓薬服用中に出血を伴う承知をする際の注意すべき薬剤と休薬期間の目安。
⇒スズケンSDIC Q&A版 No.77 参照
最近では低侵襲的な抜歯や体表の小手術で術後出血の対処が容易な場合は、内服継続下での処置が推奨
されている。
- 脳梗塞の予防(日常生活指導)
脳梗塞は再発する事があり、再発するたびに重症化するので再発予防が重要。
?リハビリテーションの継続
?脱水状態にならないように水分を摂る。
ポリフェノールを多く含むウーロン茶がよい。食事以外に1日1リットルが目安。脳梗塞が起こりやすい魔の時間帯は起床後二時間以内なので、特に起床時の血圧が135以下になる様にすることと、水をコップ1杯飲むことが薦められる。?急激な温度変化に注意(特に冬)
急激な血圧変動は脳梗塞の引き金になる。高血圧の人は寒い所に行く場合、マスクをするとよい。また、マフラーや手袋も活用するとよい。?喫煙・節酒
喫煙者が脳卒中によって死亡する危険度を1とした場合、非喫煙者の危険度は半分になる。少量の飲酒は、むしろ脳梗塞を予防する効果がある。(1日0.5合?1合まで)但し、自己管理が出来ない場合は中止。?定期的な受診
?入浴
脱衣場は温かくしておく。熱い湯に急に入らず、40℃くらいのぬるめの湯で長湯をしない。
- 脳梗塞を予防する食べ物の一例
・EPA・DHA(アジ・サバ・サンマ・マグロ・ブリ)
・硫化アリル(ニンニク・ネギ・ニラ・ラッキョウ)
・タウリン(スルメイカ・タコ・カニ・アサリ)
・食物繊維(キノコ・海藻)
・納豆
・オレイン酸(オリーブ油・ごま油・菜種油)
開催表題=第21回 脳梗塞について
開催日時=平成20年9月10日(水)20:10?21:30
開催場所=大森薬剤師会 会議室
参 加 者=サガワ薬局:佐川、アサヒ薬局:中畔・内田、美原薬局:田中、ミオ薬局:三尾、江島薬局:江島、
ひろみ薬局:宮田・橋本・若田、にしかわ薬局:新木、コーコク薬局:松原、あい薬局:山下・最首、
スマイル薬局大森店:田口。
「脳梗塞の抗血小板療法と注意点について」 大塚製薬 西田さんから説明していただきました。
・知っておきたい脳卒中 大塚製薬 2007年11月作成
・ガイドラインシリーズ 脳卒中 福神 SAFE?DI 2006年6月作成
今回の一押しwebサイト
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