第19回実践勉強会
実践勉強会実施レポート
報告者:保険学術部 田中敏郎・佐川雅夫・中畔勇一
- 開催内容
- テーマ内容
- 高血圧症について
・収縮期血圧が140以上または拡張期血圧が90以上で高血圧症と診断される。
・高血圧の治療は生活習慣の修正から。
1)食塩制限6g/日未満2)野菜・果実の積極的摂取:コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える3)適正体重の維持:BMI(体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)])で25を越えない4)運動療法:心血管病のない高血圧患者が対象で有酸素運動を毎日30分以上を目標に定期的に行う5)アルコール制限:エタノールで男性は20?30ml/日以下、女性は10?20ml/以下6)禁煙・高血圧症で糖尿病、臓器障害、心血管病、3個以上の危険因子、のいずれかがある患者は
生活習慣の修正を指導するとともに直ちに降圧薬治療開始。
- ARBとACE―Iの比較
・メタ解析の結果、糖尿病性腎症に対する治療効果における両者の効果(腎保護作用)は
同等であった。一方ACE―Iに認められた「降圧とは独立した冠動脈イベント抑制効果」がARBには認められなかった。心保護作用においてはACE―Iに優位性が認められた。・ 欧米でのARBとACE―Iのシェアは1:3。ACE―Iには空咳の副作用があるが
それを含めてもコストパフォーマンスや臓器保護作用でACE―Iが優れていると考えられている。空咳は継続服用により多くが消失・軽減するため中止しないことが多い。
- ACE―Iの咳について
ACE―I間で咳の発現率におおきな差が見られる。他のACE―Iの投与で咳が発現した症例で
タナトリルに変更した場合、半数以上で咳が消失したという報告がある。
咳の発症のメカニズムはサブスタンスPの分解をACE―Iが抑制することによるがこれを
脳卒中後の誤嚥性肺炎の発症抑制に用いる試みも行われている。
今回の一押しwebサイト「血圧.com」 http://www.ketsuatsu.com/「高血圧簡単チェックシート」「高血圧常識クイズ」「高血圧Q&A」「高血圧のための健康レシピ」「高血圧の基礎知識」等について掲載されています。
以上。
スポンサーリンクつなげよう、広げよう人の輪と知恵の輪
薬剤師会では薬剤師の皆さんのご入会をお待ちしております。
薬剤師として社会的活動を行うとき、薬剤師の団結の中心がなければ社会的評価や地位の向上は難しいと考えています。薬剤師会は、医師会・歯科医師会と共に医療担当者の一翼を担って、薬剤師の職能を確立し発展させるべく幅広い活動を続けております。 - ARBとACE―Iの比較
開催表題=第19回 高血圧症について
開催日時=平成20年5月27日(水)20:10?21:30
開催場所=大森薬剤師会 会議室
参 加 者=サガワ薬局:佐川・嶋田、アサヒ薬局:中畔・飯塚・内田、美原薬局:田中、京浜堂薬局:保科、
ひろみ薬局:宮田、ミオ薬局:三尾、にしかわ薬局:新木、江島薬局:江島・浅野。
「高血圧症とARB・ACE―Iの比較について」 田辺三菱製薬学術科 伊吹さんから説明していただきました。